本読みと山歩き

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zoom RSS 『黒部の山賊』〜本年の締め括り

<<   作成日時 : 2014/12/27 20:09   >>

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1964年「伊藤正一」著、山と渓谷社による復刻版。2014年3月初版第1刷、11月初版第10刷。

お話は、終戦直後の黒部、「黒部に山賊がいるという」が冒頭です。
終戦直後の黒部の様子、奥山の暮らしぶりが良く分かる、楽しい読み物でした。

1.山賊たちとの出会い
2.山賊たちとの奇妙な生活
3.埋蔵金に憑かれた男たち
4.山のバケモノたち
5.山の遭難事件と登山者
6.山小屋生活あれこれ
7.その後の山賊たち

人は長らく山に入ると不思議な出来事に遭遇するようです。
ましてやこんな奥山となるとなおさらでしょう。当時から遭難者が出ていたこのエリアでは、不思議な話がたくさん。

■欅平の洞窟で、山慣れた山賊の奇妙な体験
 ”得体のしれない悪寒がはしり、耳元で女性のささやき、地の底からしみだすような男の声、体と岸壁が永遠に溶け合ってしまうような恐怖感・・・”
■カベッケが原のカイブツの声
道を間違えボロ小屋で過ごした大学生、雨の中で聞く、
“オーイオーイという呼び声、ナムアミダブツという念仏の声、オギャーオギャと赤ん坊の声、気味の悪い5日間”
■山ぼけ  
“山小屋に20日もいるとぐっと効率が下がってくる。茶碗の数が数えづらくなる。 底知れない孤独感と郷愁に襲われる。…下界に下るとアスファルトがすべりそうで怖い、女性がみな美人にみえる・・・”

私は、そんなん長らく山にいたことがありませんが(せいぜい3日ぐらい)、一日人と話さないと孤独感と郷愁や人への寂寥感を感じることはあります。もちろん、女性は美しく見えます! ←これは「ぼけ」ではないね(笑)
なにかの動物や風のざわめきが他のなにかに聞こえるという錯覚を起こすのはわかるような気がします。
人の頭脳は複雑ですから、どういう回路でそうなるのかはわかりませんが・・・

この本は、雲の平の山小屋でしか手に入らなくなっていた本だそうです。
奥山でこの本を読みながら、雲の平を歩けば、おもしろおかしく、時には恐怖心を持ちながら歩けたことだろう。
そんな本の復刻版であります。

あれから、黒四ダムができ、山小屋も立派になり、登山道も整備され、登山者も増えたことでしょう。
でも、まだまだこのエリアは簡単に行ける場所ではありません。 私は未だ歩いたことがありません。 
あの渓流でイワナを見てみたい、カベッケが原を歩いてみたい、テントや山小屋で一晩過ごしてみたい・・・

山の魅力が詰まったこんな本を読んでいると、山歩きはやっぱり良いなと思うわけです。
今年は、諸事情であまり歩けませんでしたが、たくさんの面白い本に出会えました。
本読みと山歩きは一体となり、山を歩いていれば本の世界に遊び、本を読んでいれば山の世界に遊び!
楽しい。

来年も、健康第一、ゆっくり安全山歩きをスローガンに、この年末年始にしっかりと計画を練ろうと思います。
もちろん、来夏は、この本を持って雲の平で昼寝をしながら至福の時間を過ごすことが目標です。                 

                                    
定本 黒部の山賊 アルプスの怪
山と渓谷社
伊藤正一

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コメント(18件)

内 容 ニックネーム/日時
3月に復刻初版を発売して11月に10刷りですか〜
山のぼら〜の間では話題になっていましたものね。
私は超怖がりなので読むと山に入れなくなってしまいそうなので
遠慮していました。(笑
雲の平は憧れの地。。。
私は永遠にたどり着かずに憧れで終わるかもしれませんが・・・
お互い来年も楽しく山を楽しみたいですね。
mikko
2014/12/27 21:45
mikkoさんへ
怖い話ばかりではないですよ〜 山賊の話は題名は怖そうですが、心温まる物語です。
人間たどり着けないところはありません! 
雲の平、大きな山も千里の道も一歩から、いつかぜひ、参りましょう〜〜
神秘の世界の山、どんな山でも魅力いっぱいですね。
今年もお付き合いありがとうございました。
本読みと山歩き
2014/12/27 22:10
こんばんは
中々面白そうな本のようですね♪〜
山奥に生まれ育ち、その地から一度も動いた事がなく、飛行機はおろかバスや電車にも乗った事がない人が、現代の日本でもいらっしゃる事を最近知り驚かされました。
そのような方々は自然と共に生活をなさっているので、想像上の音を聞く事も、脳裏で作り上げた物を見る事はないでしょうけど、街から出かけた人々にとっては深閑とした山中では『底知れない孤独感と郷愁に襲われ』風で梢が揺れる音までもが、恐怖の対象となってしまう人も多いようですね。
機会がありましたら、この本のページを捲ってみたくなりました♪〜
良い年をお迎えください。
リッキー
2014/12/27 23:31
リッキーさんへ おはようございます。
最近、山と渓谷社は文庫に続き新書を出したり、こんな本を復刻させたり精力的です。
登山人口が増え?読者層も増えてきているからでしょうか。
いつまで続くか、このブーム、本読みとしては続いてほしい傾向です。

山奥から一歩も出たことがない!! それは貴重な人材ですね。
一度、お話を聞いてみたい。山に対してどんな感性を持っているのか。
この本、立ち読みでまずは手に取ってみてください。
写真もたくさん、それだけでも興味深いものです。
本年もありがとうございました。よい年末年始をお迎えください。
本読みと山歩き
2014/12/28 08:24
この本は読んでいないので買ってこようと思います。
雲の平は、気に入って二度訪れましたが、ここでのテント泊は山に浸りきっているという感じがしますね。
最近の山と渓谷社の復刻出版にはめざましいものがありますね。インプレスホールディングス社に買収されたことによるものでしょうか。ただ、最近の雑誌「山と渓谷」における新しい山や登山ルートの紹介は、明らかにレベルダウンしていると思います。地方の山岳会などとの関係が薄れているのではと思います。かつてのサンリオSF文庫(サンリオが1978年から1987年にかけて刊行していた文庫のSF叢書。会社の出版事業からの撤退により絶版になり、古本屋で高値が付けられている)のように、ヤマケイ文庫もいつ絶版状態になるか判らないので、全部でも買っておくべきでしょうかね。
今年も残り僅かになりました。良い年をお迎えください。
さすらい人
2014/12/28 20:53
さすらい人さんへ 
二度行かれましたか!? “山に浸る感じ”〜良いですね〜
インプレスホールディングズに買収された!? それが切っ掛けかもしれません。
このブームが去ったら、さっさと絶版になるかも知れません。
今から装丁も丁寧に綺麗に取っておくといたしましょう(笑)

今年も御世話になりました。よいお正月をお迎え下さい。
本読みと山歩き
2014/12/28 22:17
こんにちは。
おもしろそうですね。
何やら「西丸震栽」氏の本にも、お化けや幽霊のたぐいを思わせる下りが出てきますが。
自然界にはまか不思議な現象があるのも事実のようですし。

この一年色々な世界を楽しませていただきました、ありがとうございます。

丹沢も昼間の気温もマイナスの季節となりました、雪と霧氷が楽しみです。
MORINOBUNA
2014/12/29 16:25
MORINOBUNAさんへ
この本は面白かったです。 
西丸さんは文章も上手いのでおもしろかったですが、こちらは現場感覚があっておもしろかったです。
自然界はまだまだ不思議なことばかり、これからも楽しんで行きたいものです。
今年は丹沢に行けなかったので残念でしたが、いつかの楽しみにとっておきます。
雪と霧氷をお楽しみ下さい。私は美しい写真を楽しみにしております。
本年もありがとうございました。
本読みと山歩き
2014/12/29 19:55
こんばんは。
またまた、面白そうな本を見つけましたね。
この本なら面白おかしく読めそうです。
山に持って行くのもいいかもしれません。
これからも本のご紹介楽しみにしています。
来年もよろしくお願いいたします。
カスミッシモ
2014/12/29 20:42
カスミッシモさんへ こんばんは!
面白おかしくでも、興味深く 黎明期の黒部や雲の平のことが勉強できます。
ちょっと重いですからね〜 良く考えたら、山小屋にあるかもしれません。(笑)
来年も、いろんな本を通して、知らない世界で遊びたいと思います。
こちらこそ、また よろしくお願いします。
本読みと山歩き
2014/12/29 22:21
お早うございます
年末年始の休暇に入りましたか。毎日忙しそうですね。
雲の平でテン泊した事は一度だけあります。祖父岳の下あたりにテン場はあり水晶岳や薬師・黒部五郎を眺めながらでした。それこそ日本の中では一番山の奥と言った感じでした。
山での怖かった経験は何度もしています。夜などは怖いと思うと余計に幻覚がおきて来て、女の人の話し声や、誰か人が後ろからついて来るような気がします。
今は雲の平も黒部川の源流も案外簡単に遡れるようになりました。一度ぜひ行って見て下さい。
インレッド
2014/12/30 09:00
インレッドさんへ こんにちは!
(「美しき青きドナウ」を聞きながら、大掃除をしています。)
雲の平は街やそれにつながる人工物は見えないらしいですね〜 まさに一番奥の山!
やはり、一度は行きたい。
この本の当時に比べれば、黒部と雲の平も格段に行きやすくなっているようですから、
来年はぜひ歩く計画に入れたいと思います。
 本年は山歩き11(記事は9)、本はたったの12冊(記事は6)しか読めませんでした。
数を争うわけではありませんが、少なすぎます。
来年こそ! 充実した「本読みと山歩き」にしたいものです。
本年もお付き合いいただき、ありがとうございました。
本読みと山歩き
2014/12/30 13:00
雲ノ平にそんな本があったのですか!

富山の人は一気に雲ノ平まで1日で行かれる方もいらっしゃるようです。
私も時間的には行けたように思うのですが、次の日を考えると手前でお昼食べてそのまま泊ってしまいました。

もっとも私は泊まらずに高天原の温泉に惹かれて通過してしまいました。
お天気の良い時に、花の時期に行ってみたい所です。
でも、家の相棒は夕食がシャケ鍋なので嫌だと云います。

立て直されてすごくいい感じの山小屋になったのですが、食事は今一つと友達が云ってました。

来年も面白い本をご紹介くださいね!
さえ
2014/12/30 18:39
さえさんへ 
通過といえども行かれたのですね〜 高天原か〜 温泉ですよね〜 良いですね〜
ともかく行きたい、そんな気持ちにさせる本です。
夕食がシャケ鍋ですか〜 私はまったく問題ありません(笑)
食事が今一つというのは、ちょっと問題があります。
でも、行きたいので、山小屋に泊まるかどうかは別にして、計画に織り込もうと思います。
これで、八ヶ岳と雲の平は確定でしょうか!?
来年は、よりたくさんの本を読んで、もっと上手くその本の良さを表現できるように
がんばりま〜す|
今年もありがとうございました。
本読みと山歩き
2014/12/30 19:45
こんばんは。
『黒部の山賊』、ヨドバシドットコムの通販で購入しました。
後の方を見たら、初期の伊東新道の様子が載っていますが、凄いですね。
私は約50年前にこの道を下山しました。
 針金の吊り橋、河原の縁にやはり針金でつるした幅の狭い板の道と、スリル満点てした。

『黒部の山賊』、読むのは来年になりそうです。

良い年をお迎えください。
MORINOBUNA
2014/12/30 20:06
MORINOBUNAさんへ 再コメありがとうございます。
この本は写真も豊富ですから、内容に説得力があって迫ってきます。
下山したのが50年前! この写真の少しあとではありませんか!
こんな道を山荘資材を担ぎ上げるなんて…なんという時代でしょう。
著者は、この道の復活が夢らしいです。
ぜひ、読後は、雲の平にいって、すばらしい写真をご紹介下さい。
来年もまた、よろしくお願いいたします。 良いお正月をお迎え下さい。
本読みと山歩き
2014/12/30 20:29
明けましておめでとうございます。今年もまた元気でお会いできることを楽しみにしています。
山奥での出来事は、人と隔離されたための幻想だけとは言い切れないかも知れませんよ。そんなに深い山の奥では、時間や空間が歪んでいてもおかしくありませんからね。怖いような、体験してみたいような。
あつこ
2015/01/02 08:57
あつこさんへ 
明けましておめでとうございます。
「時間と空間が歪んでいる」か、なるほど、たしかにそうかも知れません。
着想が相変わらず面白いですね。
今年もまた、会って楽しいことをいたしましょう。
阿倍野ハルカスへ行って、大阪のイカ焼き食べて…箕面の山奥の時空の裂け目を探検!(笑)
今年もよろしくお願いします。
本読みと山歩き
2015/01/02 16:25

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