『雪男は向こうからやって来た』~ダウラギリ山系コーナボン谷の夢

角幡唯介さん、早稲田大学探検部OB、ノンフィクション作家です。
著者が2008年にイエティ・プロジェクト・ジャパン(朝日新聞社後援)に参加、そのイエティを追う人々の物語です。 2013年11月集英社文庫第一刷。第31回新田次郎文学書受賞。

イエティとは、いわゆる雪男のことです。ヒマラヤに住むという正体不明の未確認の類人猿。
この生物が最も有名になったのは、1951年に英国の探検家エリック・シプトンがチベットのメンヒル氷河で発見し、撮影した足跡。

雪男は向こうからやって来た (集英社文庫)
集英社
2013-11-20
角幡 唯介

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<シプトン写真1951年 ネットより拝借>

画像

長さ30cm、幅13cm…二足歩行で毛むくじゃらで…世界中でそんなイメージを造りあげた写真

日本の登山家でも多くの目撃者がおり、捜索隊も出ている。
著者は、そんな人々へのインタビューを通じて、その時の事実やイエティへの思いを丁寧に取材しています。
 ・小西浩文さん  …六座の8000m峰を無酸素で登頂
 ・田部井淳子さん …女性初のエベレスト登頂
 ・芳野光彦さん  …「栄光の岩壁」(新田次郎)のモデル

イエティ捜索に人生を懸けた人物が、冒険家 鈴木紀夫さんです。
冒険家として、最も彼を有名にしたのが、ルバング島で小野田少尉を発見したことでしょう。
その後、イエティ発見に魅せられ、6回目の捜索時にダウラギリⅣ峰で雪崩れに遭い、遭難しています。
今回の捜索隊もその場所、
ダウラギリ山系グルジャヒマール東南稜コーナボン谷です。 標高4000m~5000m。

人を死を賭してまで、のめり込ませるイエティとは何なのか!? 
著者はイエティ・プロジェクトに参加し、現地を見ることで、それを肌身をもって感じ、レポートしてくれています。

世間では、否定的意見(ヒグマ説が有力?)が多い中、このように少数ですが“存在を信じている”人がいることも事実です。
私は、この本を読んだ後ですら、否定派に属しますが、完全否定はしません。
まだまだ広いこの地球、人が容易には近づくことが出来ない 遙かな高山、広大なジャングル、深淵な海底にはまだまだ未確認の生物はいるに違いないと思うからです。
 因みに宇宙人の存在も否定はしません。どちらかというと存在するに違いないと思っています。
地球から見える星はほとんどが恒星で、その衛星には地球と同じ環境にある星があるに違いないと思っているからです。
イエティだって…きっと…

この本の中で、6回の捜索でイエティに情熱を傾けた鈴木紀夫の実母への取材での印象的なエピーソドがありました。
「つね子(実母)には今でも覚えていることがある…居間で裁縫をしている時に、息子がのそのそ近づいてきて言った一言、
“母ちゃん、おれは見たんだよ。雪男がかわいくて真っ白な子供を連れて歩いているのを、本当に見たんだよ”」

思うに、この本は、私にとっては、
イエティが存在するかどうかの問題ではなく、“自信の中に何かを信じて懸けるものがあるかどうか”、それを問われている本だった。
そう考えると、この本の題名も意味深になってくるのでした。

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この記事へのコメント

あつこ
2013年12月23日 02:22
そういえば昔、イェティは宇宙人という説も読んだことありますよ。それなら辻褄があう?
本読みと山歩き
2013年12月23日 07:10
あつこさんへ
ほほ~ その説はこの本には載っていませんでした。
地球外生物がなぜ、こんな高山という過酷な環境を選ぶのだろうと思うのですが…
そうか、自分の住む環境に似ているからなのかもしれませんね!(笑)
未確認生物が故に、どんな可能性も捨ててはいけないということです!?
2013年12月23日 19:43
今晩は。
信じる道を何処までも歩く方は幸せな方と思います。
先日 読んだ三浦しおん さんの「舟を編む」もそんな人の物語でした。
本読みと山歩き
2013年12月23日 20:08
インレッドさんへ
やはり、
自分の信念に基づいて歩く人は、流されて歩く人よりも幸せなんでしょうね~
自分もこうありたいものです。今からでも遅くないか!
「舟を編む」も読んでみます。
カスミッシモ
2013年12月24日 22:23
こんばんは。
雪男と言ってしまうと、そんなのいるの?と云うことになりそうですが、未知の動物がいてもおかしくはないと思います。興味をそそります。
面白そうな本を見つけてきますね。
本読みと山歩き
2013年12月25日 06:30
カスミッシモさんへ 
おはようございます。
この本は動物がいるかどうかがテーマではなく、どちらからといえばそれを探すことに情熱を傾ける人々の物語でした。
読者に「そんな熱いものが、あなたにはありますか?」と問われているようです。
2013年12月25日 19:35
こんばんは
雪男、これについては子供の頃から、いろいろ本をあさり読んだ事がありましたが、結局は自分の心の中で、存在を信じようと思い続けていました!
そう言えば、今年の残雪時に角田山で見かけたのですが、人間よりも少し大きく、灰色をした二頭の動物は何だったのだろうと、その後訪れても見る事ができません・・・もしかして雪男(笑)
本読みと山歩き
2013年12月26日 06:24
リッキーさんへ
私も信じたい派です!
その角田山での未確認生物も非常に興味深いですね~
灰色の二頭の動物!? 
さらなる捜索を続けてください!(笑)
Tao
2013年12月26日 22:48
こんばんは。
イェティの存在は私にとっては永遠の?です。
でも、山を歩いている時に超常現象は良く体験しました。
その場にいた人達は、その現象にどよめき 歓声を上げましたが、
少しの位置の違い時間差でそれに遭遇できなかった人には、
いくら話しても怪訝な顔しかされませんでした。
私は信じている人を信じたいな~(*^_^*)


2013年12月27日 09:02
何かを信じて熱くなれるって幸せな事ですよね。
大人になると日々の生活に精一杯で…
イエティ。。。
私は突然変異で毛色がちょっと変わった熊なのでは…と思ってしまいますが
信じている方を応援はしたいな。
宇宙人は?ですが
私、未確認飛行物体らしいのは見た事があるんですよ~
(^_^)v
本読みと山歩き
2013年12月28日 20:36
Taoさんへ
Taoさんは超常体験はしてらっしゃいそうですね~
同じ場に居ても、
その人にしか見えないもの体験できないこともあるようですから…
私はTaoさんが見たものを信じます!
本読みと山歩き
2013年12月28日 20:40
mikkoさんへ
こんばんは! 
変わった熊か~
突然変異や環境に対応して変化した熊かもしれませんね~
私は、mikkoさんが見た未確認飛行物体を信じますよ!
“未確認”ということは、あらゆる可能性があるということですから!
いつまでも、未確認は未確認のままがよいですかね~
2013年12月30日 21:49
 今晩は!
本読みさんのレポを見て、何冊か本を入手し読みましたが、これまた興味が募る本ですね。
 私は、どちらかと言うと信じない派なのです。雪男も宇宙人も。何故かって言うと、恐いのです。もし直面したら何て言ったらいいのか、どう対処したらいいのかさっぱり分からないのです。これは1種の逃避かな? 一番信じていたりして。
 1つ前のレポに、「シミの一点・・・“風景のシミ”となりました」とありましたが、そんな純粋な気持ちが必要なのだと思います。
本読みと山歩き
2013年12月30日 22:12
甘納豆さんへ 
こんばんは。
雪男や宇宙人に遭遇したら、知的生命体なら 目を見てにこっと笑いますが…
凶暴な奴だと、恐いですね~

何事も純粋な気持ちで夢をもって進んで行きたい。
来年もそんな気持ちで、「本読みと山歩き」に精進いたします。
2013年12月31日 08:36
素晴らしい景観を見る旅に 心が浮き立ちます。
山への誘いのブログ♪ 心にしみる文面に踊る静かなリズム♪
詩を聴き分けようと・・・写真を見つめ続けてきました。
知らない世界がここにある・・・もう少し若ければなんて
呟くことも しばしばでした。
今年一年 素晴しいマウンテンワールドを紹介して頂いて
ありがとうございました。
本読みと山歩き
2013年12月31日 14:26
ログの大好きな徳さんへ
詩はいいですね~ 短い文章に自分の意志を込めるのは難しい!
来年はそんなブログを目指します。
キャンピングカーでの旅も、身近な散策も、厳しい高山も、未知の世界の連続です。
読書も…
今年は体を痛めて、思うにまかせませんでした。
来年は、“素晴らしいマウンテンワールド”のご紹介に励みたいと思います。
なますて!
2019年06月05日 14:56
1991年3~6月にインドとネパールを旅してきて
当初トレッキングなどする気もなかったんですが
ネパールで遠くに見えるヒマラヤの山々を見ているうちに
「もっとヒマラヤをまじかに感じたい」との衝動にかられ
トレッキング経験は全くありませんでしたが
ガイドブックに比較的初心者でも行きやすく
2~3時間おきくらいに安宿が点在するという
ランタン渓谷というところにトレッキングに行ってきました。

その時ある体験をしました。

実は今年GW中に山口敏太郎さんとメールでコンタクトすることができ
その時の体験を簡単にメールしたところ
「ぜひ、僕のやっているネットラジオで電話インタビューに答えてくれませんか?」
とのことで2019/5/8にインタビューを受けました。

ユーチューブ/アトラスラジオで検索してみてください

その数日後、敏太郎さんから連絡が来て
東スポさんがその内容を記事にしたいとのことの連絡あり
5/14の東スポで記事になり、翌日東スポの記事として
ヤフーニュースにも出てました。
(東スポかいっ!と思わないでください)

東スポ イエティで検索してみてください

東スポに実名で記載OK出しましたが
それは未確認と思われる類人猿と遭遇したのは確かであり
決して熊やラングール の小型の猿の見間違いではない自信があるからです。

詳細な体験談は上記を参照してもらえればわかると思います。
イエティについては賛否両論あるかと思いますが
お時間あるときにでも話のネタとしてご覧ください。
本読みと山歩き
2019年06月08日 08:01
なますて? TETSUさんへ
コメントありがとうございます!
貴重な体験をなさいましたね! 世界はまだまだ広いなぁといつも思っており、イエティも含めて未確認の生物だっている可能性がありますね。
長い目で見た時に、こんな生の証言が、その積み上げが未確認の発見へとつながっていくことを期待しています。
TETSU
2019年06月08日 16:03
本読みと山歩きさんへ

実は数日前、角幡さんのツイッターにリツイートとしたところ
記事を読んでくださったようで
「ぼくらが2008年に探していたやつとまったく同じタイプですね、これは。
やっぱりいるのかな。」との返信。

もし存在を証明できる発見に至った場合は
希少な類人猿を絶滅に追い込む可能性もあり
保護区として保護していければいいのですが…

記事を読んでくださりありがとうございました
本読みと山歩き
2019年06月29日 21:05
TETSUさんへ そうですか、それは良かったですね。 
イエティ、存在が確定して保護区なんてできるとよいですね。夢がある。

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